Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
キックオフされ、後半が始まった。
高く蹴り上げられたボールを、今度は芳野高校の右ロックが見事キャッチした。その体の大きさを利用して、自らボールを抱えて走り出す。同時にラインを作って走り始めるバックス陣。右ロックは、2人ほどいなして進んだ。
「30だ、30!」
遼太郎の大きな声が響く。「30」というのは、何やらサインプレーの合図らしい。
「声出せよ!」
遼太郎から出されたボールは、すぐ隣にいた12番の選手を飛び越して、その向こうにいた13番の選手へとパスされた。相手側はそのフェイクにかかり、すぐ12番の選手を待ち構えてぶつかっていく。
13番の選手はディフェンスを引き付けておいて、背後からラインに参加してきた15番にパスした直後、自分は激しいタックルを食らった。15番からは、外にいる14番にパスしてゆく。
ボールが次々と空中を渡ると同時に、選手たちも飛ぶように、みのりの目の前を走り去る。パスが繋げられていく間も、相手側のディフェンスが減ってゆく。