Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
窓の外を眺めると、しとしとと依然雨が降り続いている。
――ラグビーの試合は、こんな日でもやるのかなぁ~……?
雨の中でもラグビーの試合をしている光景を、テレビで見たことがある。きっと『雨だから』という理由で、中止になることはないのだろう。
…でも、琴の練習の方は、まだ終わりそうになく、もう時計はとっくに12時を回っている。
――雨だから、あんまり車を飛ばしたくないんだけどなー。でも、私の本分は、箏曲部の方なんだし……。
みのりはそう自分に言い聞かし、時計を見ながら、そわそわと練習が終わるのを、ただ待っていた。
それから……、みのりが競技場の近くのインターチェンジで高速道路を降りた時には、もうすでに2時になろうとしていた。
琴の練習が終わり、セミナーハウスの施錠をしたの12時半すぎ。雨のせいでやはりスピードを出せなかった。
こんな時に限って、ことごとく信号に引っかかる。
――早く~早く~……。
唇を噛み締めながら、ハンドルをコツコツと叩いた。気ばかりが急いて、間に合わないのではないかと、不安になってくる。