Rhapsody in Love 〜約束の場所〜



「…そうですか。」


 給湯室まで付いて来ていた遼太郎は、落胆の声を漏らす。


「朝読新聞がどうしたの?」


と、みのりが訊くと、


「いや、この前の試合の記事で俺の写真が出てたって聞いたんで…。」


と、遼太郎はポツリと言った。


「ええっ!?狩野くんの写真が?すごいじゃない!」


みのりは目を丸くして驚く。


「この前の試合の記事なら、日曜日の新聞に出てるの?」


「多分そうだと思うんですけど、うちは県民新聞だから…。」


「そうかぁ、私も新聞取ってないしなぁ…。それに、あんまり朝読新聞取ってるおうちって少ないよね…。うん!でも、分かった!朝読新聞、なんとか探してみる。」


「えっ、でも。先生、忙しそうだから、なんか悪いし…。」


 躊躇する遼太郎だったが、少しの期待もにおわせていた。


「大丈夫、私、今日は授業ないから。忙しくないの。」


と、みのりはにっこり笑い、遼太郎を安心させるように背中をポンポンと叩いて、教室へと送り出した。



 遼太郎の写真が新聞に出ていると知って、みのり自身が、何が何でもその記事を見たくてしょうがなかった。



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