Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
みのりが細かい注文を付けるので、図書館の職員は辟易気味の表情をした。でも、どう思われようが、大事な記事なので妥協はできない。
「ご自分でなさいますか?」
職員はカウンターの中のコピー機を指差して言った。みのりはその言葉に甘えて、そうさせてもらった。
いつも授業プリントや試験問題などを作成するときに写真のコピーはしているので、みのりにはここの職員よりもうまくできる自信はあった。
新聞名と日付を入れた記事全体のコピーをとり、写真のところを大きくしたコピーもとる。そして、もう一枚、自分の手元に残しておく分のコピーもとった。
料金を支払う時、
「生徒さんの記事ですか?」
と訊かれ、芳野高校の教員とバレてることに、ギクリとしてちょっと肝を冷やす。
それまでのうるさい注文も帳消しにするように、
「ええ、そうなんです。」
と、にこやかな笑顔を作って職員に新聞を返した。
それから、用意していたクリアファイルに丁寧に挟み込んで、図書館を出た。
学校へ戻る途中、第2グラウンドの前を通りかかったとき、みのりの足は自然と校門の方ではなくグラウンドの方へと向いていた。