Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
道路を挟んで向かいにある管理棟の職員室からは、いつも照明だけしか見えなかった場所。「あの下で練習してるんだろうな…」と、いつも思っていたところへ、みのりは初めて足を踏み入れた。
ここはラグビー部しか使わないからか、第1グラウンドよりも荒れていて、隅の方は丈の短い雑草が生えている。加えて、午後からの雨でぬかるんでいるので、みのりのかかとの低いパンプスでも歩きにくい。
一歩一歩慎重に歩くみのりが姿を現すと、いやがおうでも皆の目についた。
みのりが練習を横目に見ながら、マネージャーがいる場所まで歩いて行くと、先日遼太郎の救護の時に顔を合わせた子は、親しげにみのりに挨拶して頭を下げた。
練習は、フォワードとバックスとで分かれて行われているらしい。手前の方で練習しているバックスの、中でも遼太郎の姿を確認してから、みのりはマネージャーに新聞のコピーを託けて職員室に戻ろうとした。
「もうすぐ6時になったら、休憩が入りますよ?」
そう言って、せっかくマネージャーが気を利かせてくれたので、みのりは休憩まで練習を見学することにした。
11月も中旬になると、日が落ちれば冷え込んでくる。みのりはうすら寒さを覚えたが、練習をする生徒たちからは湯気が立ち上らんばかりの熱気が漂っていた。