Rhapsody in Love 〜約束の場所〜



 さすがにプロが撮っただけあって、眼光の鋭さから躍動する筋肉まで、ラグビーをするときの遼太郎の魅力を、本当に余すところなく写し出された写真だった。


「あ、ありがとうございます。」


 照れくさそうな表情をして遼太郎が礼を言うと、みのりはただ微笑んで返した。


「これ、どこに置いておこうか?また、雨が降って濡れてもいけないし。」


と、みのりがコピーをファイルに挟み込みながら訊くと、


「じゃ、俺のバッグに入れてください。」


と、遼太郎は部室の方へと誘った。


 遼太郎が部室に入って、自分のバッグを出してくるのを、みのりは入り口で待った。
 入口の所に置いてあるパイプ椅子の上に、カンタベリーのスポーツバッグを置いて、遼太郎がそのファスナーを開けると、みのりはその中にファイルを差し入れた。

 入れる時の一瞬だったが、ペンケースや配布物に紛れて、自分があげた日本史の用語集があるのを見つけて、みのりの心がほんのりと温かくなる。


「それは?」


 みのりの脇に挟まれたもう一つのファイルに、遼太郎は気が付いて訊いた。


「これは、同じもの。私も記念に持っておきたいから。」


 少し恥ずかしそうにみのりがそう言うと、遼太郎も同じように恥ずかしそうな顔をした。


< 392 / 743 >

この作品をシェア

pagetop