Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
「そりゃそうよ。決勝戦だもの。芳野高校がここまで勝ち上がれるのは、快挙だって、職員室でも話題になってるしね。」
「『快挙』だって!?それって、俺らがもっと弱いと思われてたってこと?俺は、ここまで来れたのは当然だと思ってるし、明日だって勝ってみせるぜ!!なっ!?遼ちゃん!」
決勝戦までくる過程で、結構危ない試合もあったように思われるのだが、いつも自信満々の二俣は、いつものように遼太郎に同意を求めた。
今朝のことがあって、みのりの傍に行くのは気恥ずかしい遼太郎だったが、二俣に呼ばれたので、肩をすくめて頷きながら二俣の隣へと来た。
「負けると思ってする試合なんてないから、頭の中には勝つことしか考えられないし…。」
遠慮がちに、みのりとは目を合わさないように遼太郎が言う。
さすがに遼太郎は、二俣のように「絶対に勝つ」とは言い切れない。それほど、都留山高校の強さは絶大だった。
それでも、みのりはそんな二人の武勇を鼓舞する。
「おお!頼もしいね。明日はきっと最高のプレーを観させてもらえるのを、楽しみにしてるよ。…あっ、と…ごめん。もうちょっと話してたいけど、次1年生の授業が入ってるから…。」