Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
遼太郎自身も無意識にやっていた学習の工夫を、衛藤に合わせたものにする……。限りなく時間がかかりそうなことだが、今はそれを模索して実践するしかない。
遼太郎は意を決して、口を開いた。
「エトちゃん、今度の土日は俺んち来い。合宿しよう。」
「えっ…!」
と反応したのは、衛藤だけではなかった。二俣の顔が光り輝いている。
「楽しく勉強できそうだな。この際、他教科は捨てて、日本史だけみっちり頑張ろうぜ。」
二俣はにんまりと笑って、衛藤と肩を組んだ。
「みのりさん、二俣くんたちと賭けをしたんだって?」
職員トイレで一緒になった澄子から、みのりはそう声をかけられた。
「え?ああ。いや、賭け…っていうわけじゃないんだけど。花園予選のご褒美がほしいって言うもんだから、それにかこつけて勉強するように仕向けたのよ。」
と、みのりは苦笑いする。
「死に物狂いで頑張ってるよ。目の色が変わるって、ホントあのことよね。」
考査期間に入って、授業に行くことのない3年1組の教室の様子を、澄子は語った。みのりの苦笑いが、朗らかなものになる。
二俣が言うように、本当に花園予選は頑張っていた。その頑張りは、みのりの胸を震えさせた。