Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
「それじゃ、それぞれを出した天皇は?」
衛藤はこれに、お手上げといった状態で顔をしかめた。
「あっ、待て。分かる分かる!…えーと、弘仁が嵯峨天皇、貞観が清和天皇、延喜が 醍醐天皇。…違うか?」
二俣はその眼をぎょろりとさせて、遼太郎に確認した。
「正解。」
「…よっしゃー!!」
トライを決めた時のようなガッツポーズだ。そして、衛藤に向き直る。
「エトちゃん、これ覚え方があるんだぜ。『コジエがサセタ』ってね。 」
「…さ、させた!?」
いかがわしいことを想像したのか、衛藤が顔を赤くする。遼太郎も何を言い出すのかと、二俣を見返した。
「それぞれの頭の文字をつなげて覚えるんだよ。弘仁がコ、貞観がジ、延喜がエ。それで嵯峨がサ、清和がセ、醍醐がタ…濁点が抜けてっけど。」
得意顔の二俣に、遼太郎は絶句した。
――そ、そうか…。エトちゃんには、そんな工夫も必要かもしれない…。
みのりから教示された学び方は、自分に合わせたもので、どの生徒にも適合するわけではないということを、遼太郎は痛感した。
きっと二俣は、自分なりに工夫ができるタイプだ。
だけれども、衛藤はそれができないから、今一つ成績が伸びないのだろう。