Rhapsody in Love 〜約束の場所〜



「すみません。先生。すぐに食べます。」


 衛藤はそう言って何度も頭を下げる。
 言われなくても衛藤がそうすることは分かりきっているので、みのりは何だかおかしくなって吹き出した。遼太郎も同じように「しょうがないな」というように笑っていた。


 食べ始めてから2時間、二俣が言っていた通り、3人はペースを落とすことなく焼肉を堪能した。特に衛藤は、会話するのもままならず、食べることに没頭していた。

 それに反してみのりは、ご飯を軽く一杯と少しの肉と野菜、果物をつまむくらいで、あまり食が進まないようだった。

 元来細いみのりのことだから、普段からこのくらいしか食べないのかもしれないが、今日のみのりの動きや言葉に心なしか元気がないような気がして、遼太郎は少しそれが気にかかっていた。



 店を出ると、早速二俣が遼太郎に気を利かせた。


「エトちゃん!DVD借りに行くから一緒に行こうぜ!」

「うん、ああ。いいよ。」


 特にそれから何も予定がなかったのだろう、衛藤も二俣の提案を快諾した。


「それじゃ、みのりちゃん。今日はありがとなー!!」


と、早々に二俣は衛藤と共に自転車で走り去って姿を消し、遼太郎はみのりと二人きりにされた。


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