Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
――これは…、もしかして平均50点いかないかも……。
不吉な予感を頭によぎらせながら、みのりは電卓を打ち続ける。
……と、その時、電卓に表示された数字を確認して、手を止めた。
打ち間違えていると思い、もう一度計算し直す。
「……え、ウソ……」
〝82〟という数字を目にして、思わずつぶやく。すかさず、この高得点を取った名前を確認した。
――狩野遼太郎。
ドキン!と、みのりの鼓動が高鳴った。なぜドキドキするのか分からないが、びっくりしたのは確かだ。
――よし!この調子で!!
と、勇んで採点を続けたが、結局遼太郎を越える点数の子はいなかった。
それどころか、次に点の良かった真面目な女の子も70点だったので、10点以上も引き離して、遼太郎は私立文系では断トツの一番だった。
平均点は辛うじて50点に届いたので、ひと安心というところ。遼太郎の点数がなかったら、50点には到底届かなかっただろう。