Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
「狩野くん…!」
月曜日、登校した遼太郎が教室へ入ると、いきなり宇佐美と平野から呼び止められた。その語調が険しいものなので、遼太郎はとっさに顔を向けて眉を寄せた。
「ちょっと、こっち来て!」
と、寒々しいベランダへと呼び出される。
土曜日の別れた後、どうなったか知りたくて、遼太郎を待ち構えていた二俣も、宇佐美と平野のただ事ではない様子に反応して、遼太郎と同時にベランダへと飛び出してきた。
「どうしたんだよ?」
と、二俣が遼太郎より先に口を開く。
宇佐美は二俣を一瞥すると、遼太郎へと向き直って自分のスマートフォンの画面を見せた。
「狩野くん、…これ…。」
遼太郎と一緒に二俣も横から覗き込む。
スマートフォンには、この学校の裏サイトが表示されており、二人はそこに書かれている内容を走り読みした。
「…なんだよ!これ!!」
激しく反応したのは、二俣だ。咆哮のような二俣の声が、向かいの校舎にまで響き渡った。
遼太郎は息を呑んで、言葉も出てこない。
「なんだよ!なんなんだよ!!これは…!!」
もう一度、同じようなことを、二俣は吠えた。
「誰かが書き込んだのよね。」
「書き込まれていることは、本当なの?」
宇佐美と平野が、口々に言った。