Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
『この前の土曜日、イオンの近くの県道で、3年生でラグビー部の狩野さんが1年部の仲松先生の肩を抱いて、あやしい雰囲気でタクシーに乗ってるのを目撃!!あの後、どこに行ったのか、気になる~(*><*)』
眉間に皺を寄せたまま、遼太郎は目を上げる。
「書かれてることは、……本当だよ。」
「えっ……!?」
二俣と宇佐美と平野は、そろって目を剥いた。
「…だけど!ふっくんたちと焼肉食べた後、先生がサンライズで買い物するからって歩いて向かってる途中で、先生の具合が悪くなって…。すごい熱で足もフラフラしてたから、先生の家まで送っていっただけだし…。」
遼太郎はそう言って弁解し、唇を噛んだ。
「なんだ…。」
「そういうこと…。」
宇佐美と平野は、肩の力を抜いたが、
「でも、何でそれが『あやしい雰囲気』になるんだよ!!…誰だよ!こんなこと書き込んだの!!許さん!!絶対、許さん!!!」
と、二俣の憤慨は止まらなかった。
だが、状況の分からない人間が、あのタクシーに乗り込むときの一瞬を切り取って見ていたのなら、そんなふうに受け取ることもありうるだろう。
あの場合は仕方がなかったとも思うが、こんな奇異な目で見られることに考えが及ばなかった自分を、遼太郎は自省した。