Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
――…ふ、増えてる…。
これがあるから、実家に帰省するのは気が進まなかったのだ。
「…え?見てみないの?」
隆行は半ば面白そうに、みのりとお見合い写真の山を交互に見遣る。不愉快の追い打ちで、みのりは応える気にもならなかった。すると、隆行は調子にのり始める。
「姉ちゃん、そろそろ観念して、適当なの選んで結婚したら?」
みのりが今一番触れてほしくない話題だということは、隆行は当然理解していない。「余計なことを言うな!」と、言わんばかりに、みのりは隆行を睨み付ける。
「結婚相手なんだから、適当ってわけにいかないでしょ!」
「まさか姉ちゃん、三十にもなって、まだ理想の人が現れるなんて思ってんの?」
漠然とした理想の人などよりも、みのりが心に想うのは、遼太郎ただ一人だ。
「思ってるわけないでしょ!バッカじゃないの?」
隆行が相手だと、みのりは普段は思ってもみない悪態が衝いて出る。そして、そんな自分が嫌でたまらない。
その反面、慣れっこの隆行の方は、そんな姉の言動くらいでいちいち怒ったりしない。
「じゃあ、現実的になって、してみたらいいじゃん。お見合い。けっこうイケてるヤツもいたけど?町長の息子なんて、いいんじゃない?」