Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
隆行はとうとう口をつぐんだ。
去年の正月、隆行は彼女の美緒を伴って帰省したのだが、その時みのりに会ってしまった美緒は、それ以来劣等感に苛まれ続けたのだ。
容姿も頭脳もみのりに及ばないと思った美緒は、隆行の女性の基準はみのりだと思い込み、何かにつけてみのりと自分を比較して自分を蔑んだ。
そして間もなく、どちらともそれに疲れてしまって別れてしまった。
生家に連れてくるくらいだから、隆行としても本気だった。だから、みのりに罪はないことは解っていても、恨みたくなる。
「あんまり話をしなかったのが、意地悪って思われちゃった?私が何か原因だったんなら、悪かったわね…。」
消沈した面持ちで、そう言ってくる姉を見て、隆行は本当に綺麗だと思った。
そう思っている隆行自身も、みのりによく似て端正な顔立ちをしていたので、女性にはよくモテた。
「…別にいいよ。今はもう、新しい彼女がいるし。」
「はぁ…?あんたって、ホントに軽いオトコよね。洋服替えるみたいに、とっかえひっかえ…。今度の子も、かわいいの?」
「もちろん、姉ちゃんよりかわいいし、若いよ!20歳だから。」
「その、『姉ちゃんより』っていうのは余計だけど、20歳って、若すぎ!学部生でしょ?なんで今年は連れて来なかったの?会いたかったな、若い彼女。」