Rhapsody in Love 〜約束の場所〜



 それで、ぶらぶらしているわけにもいかないので、みのりは教員という道を選んだ。正式採用されるまでの道のりは、これはこれで厳しかったが、今となっては大学で教員免許を取っておいて、本当に良かったと思っている。


 教員をしていたから、遼太郎にも逢えた。
 遼太郎を想うと切ないけれども、自分の人生の中で彼がいなかったら…と思うと、みのりは自分の存在さえも意味のないもののように感じられた。

 遼太郎にしても二俣にしても、ラグビーというあれだけ激しいスポーツを毎日しながら、このストイックな芳野高校で勉強をし、指定校推薦とはいえ東京の有名大学への進学を果たしたのだから、賞賛に値する。
 勉強だけしかしなくて難関大学へ入学するよりも、ずっと価値のあることだと、みのりは思った。

 ちなみにラグビー部3人組のもう一人の衛藤は、澄子から聞いた話によると、進学はせずに家業を継ぐという。衛藤の家は、代々続く老舗の和菓子屋だ。


 地元の名門の芳野高校は、地元はおろか市外の中学生にとっても、あこがれのような学校だ。

 他校と同じ県立高校の教員で数年ごとに異動もあるというのに、「芳野高校の先生」というだけで、地元の人々からは崇められるようなところもある。
 そういう地元の期待のようなものもあるから、芳野高校の校風はいっそう厳格なものになるのかもしれない。


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