Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
それから、遼太郎は部室に向かい、いつも散らかりまくっている部室の片付けをしながら、少し時間を潰した。
放課後になり、再び職員室に赴いたのだが、他の生徒たちが入室出来ないので、遼太郎もそれに倣い、戸口のところでみのりを呼んでもらった。
すると、またもや、みのりはいないとの返事だ。
――またか……!
軽い絶望感が、遼太郎を襲う。
近くにいるはずなのに、ここまで会えないと、何か運命的なものに阻まれているような気さえしてきた。
3年の授業がなくなって、少しは余裕ができたかと思っていたのに、授業のない時間さえゆっくり座っていられないほど、みのりは忙しいのだと、遼太郎は改めて知る。
1年生の授業の準備や、学年末考査の問題作りはいつしてるんだろう…と、遼太郎はみのりを思いやって心配になった。
溜息を吐いて、職員室の戸口を離れ、この広い校内を、みのりを探して回ろうかと迷っていたとき、渡り廊下にいるみのりの姿が目の中に飛び込んできた。
みのりは、3年生の入試が一通り終わってしまったというのに、相変わらず個別指導をしていた。
よく見ると、指導している相手はラグビー部の荘野だ。荘野にはもう後がない。この学年末考査でよい結果が出せないと、この学校に居続けるのは難しくなるだろう。