Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
二月は「にげる」と言われるように、月日は飛ぶように過ぎていき、学年末考査も終わり、通常の授業をする日が戻ってきたかと思ったら、もう卒業式の準備が始まる。
二月最後の日には、卒業式の予行や同窓会入会式などが行われるので、3年生も登校する。
みのりはいつものように考査の後は採点に追われ、卒業式に際しては掲示係になっていて、それの準備もあって、相変わらず息つく暇もない。
それでも、仕事に没頭しているときは、遼太郎のことを思い出さずに済む……。
想いが通じなくとも、姿を見るだけで満たされていたみのりにとって、遼太郎が卒業し遠くへ行ってしまうことは、やはり耐えがたく辛いことだった。
その辛さを脇に追いやれ、一瞬でも忘れられるのだったら、みのりはどんな仕事でも真剣に取り組んだ。
明日が卒業式という日、遼太郎は登校しているはずなのに、みのりは結局会えずじまいだった。
話をしに来ないところを見ると、もう解決したか、どうでもいい話だったのだと、みのりは自分の中で納得していた。
生徒たちが放課になった後、みのりは他の掲示係の教員たちと掲示物を貼りに、体育館へと向かった。
明日から三月だというのに寒波に見舞われて、体育館も冷蔵庫の中のように冷え込んでいる。手がかじかむ寒さの中で、みのり達は作業にあたった。