Rhapsody in Love 〜約束の場所〜



 明日は、無事に卒業式が終わってほしい。
 そう、これまでの毎年の卒業式のように淡々と…。
 特段の感慨を伴うことなく、ちょっとした感動に胸が清々しくなるような、そんないつもの卒業式になればいい…。


 そんな風に思いながら、みのりはサンライズに着いて、車を降りたその時――。店の入り口にいる一人の男の子が目に入った。


 遼太郎に似ている。
 みのりは、思わずそう思った。けれども、こんな時間こんなところに遼太郎がいるはずがない。


 仮卒以来、遼太郎に会っていないので、心が無意識に遼太郎を求めているのだろう。似たような男の子を見るたびに、みのりの心臓はドキン!と飛び跳ねた。


 別人だとは思うものの、みのりはずっとその男の子の姿を目で追わずにはいられない。
 そして、店の入り口まで来た時、その男の子もみのりをじっと見ていることに気がつき、…それは遼太郎本人だとようやく覚った。


「先生…。」


 遼太郎の方も、思いがけない人に会ったという表情だ。


「何してるの?こんなところで。」


 買い物に来た風でもない様子に、みのりも声をかけた。


< 706 / 743 >

この作品をシェア

pagetop