Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
配布物の整理が一通り終わったので、澄子は改まって、卒業証書を渡し始めた。先程名前を呼ばれた順番に、澄子の前に進み出る。
すごく大切なものには違いないが、特別な感慨など伴うことなく、遼太郎はそれを受け取った。
――先生は、きっと「おめでとう」って言ってくれるだろうな…。
証書の文面を見ながら、そう思う。
みのりは、花園予選のときも推薦入試のときも、いつも寄り添って、辛いことも嬉しいことも共有してくれた。
卒業するということが喜ばしいことなら、それをみのりと分かち合いたいと、遼太郎は思った。
…そして、卒業してからも起こるだろう色んな出来事を、それがたとえどんなことでも、みのりと一緒に受け止めていきたいと思った。
――そのためには、なにをおいても、先ずは告白あるのみ…!
告白しないことには、何も始まらない。
遼太郎は、今日という日を終わりの日ではなく、始まりの日にしたかった。
担任の澄子と副担任の話があって、教室は少ししんみりと、けれどもそれ以上の歓びに包まれ、LHRは終わった。
――さあ…!と、遼太郎は職員室へと向かうべく、立ち上がる。
「待って!みんな、帰らないで!!これから先生たちと謝恩会をするから。」
女子の誰かが、教室から出て行こうとする者を牽制した。