Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
その興奮が冷めやらない内に、「一人一言」が始まった。
よほどの仕切り屋が、バッチリ段取りをしているのだろう。謝恩会は司会の女子によって、着々と軽快に進められていく。
一言の内容は、高校生活で一番良かったことや心に残っていることと、3年1組へのメッセージだ。
早く謝恩会が終わってほしい遼太郎は、高校に入ってラグビーに出会えたことと、澄子やクラスの仲間に感謝の言葉を言って、短く終わった。
本当に言いたかったのは、ラグビーのこと以上に、みのりに出逢えて個別指導をしてくれたことだったけれども、このクラスにはみのりのファンが大勢いるので、それを言うのは止めておいた。
豪胆な性格のくせに、こんな時は緊張してしまうのが、二俣だ。二俣は、遼太郎と同じようなことを小声でボソッと言って、あっという間に終わっていた。
二俣よりももっとシャイな衛藤に至っては、何を言っているのかさえ分からなかった。
それでも、澄子はニコニコと笑顔で、一人ひとりの言葉に真摯に耳を傾けてくれていた。
焦っている遼太郎の心をよそに、中盤以降の特に女子は、思い入れたっぷりに、時には涙しながら語る者が多くなった。
必然的に時間はとめどもなく流れ、クラスの皆が話終わった時には、謝恩会が始まって、もう2時間が経とうとしていた。