Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
「ありがとうございます!第2ボタンもらえるなんて、夢みたいです。…私、狩野先輩のこと、ずっと好きでした!」
緊張していることは、その声が震えていることでも分かる。
これから同じことをしようとしている遼太郎には、その告白をするのに〝ユウちゃん〟がどれだけ勇気を振り絞っているか 、痛いほど胸に響いていた。
遼太郎も、真摯な表情でユウちゃんを見下ろした。
「…想ってくれて、ありがとう。俺もずっと好きな人がいて、これからその人に告白しようと思ってるんだ。」
遼太郎はそう言って、返事の代わりにした。
『ずっと好きな人』というのは自分のことではないと察して、ユウちゃんはさすがに傷ついたようにこわばった顔をした。
遼太郎の心は痛んだが、こればかりはどうすることも出来ない。
「それじゃ、もう行っていいかな…?」
いたたまれなくなった遼太郎が、そう声をかけると、ユウちゃんは遼太郎を送り出すために笑顔を作った。
「…はい。すみません、お呼び立てして…。」
ユウちゃんが頭を下げて、顔を上げるのを待たずに、遼太郎は踵を返して駆け出した。