Rhapsody in Love 〜約束の場所〜



――……やっぱり……。


 自分の間の悪さを自覚していた遼太郎は、この展開をなんとなく想像していた。


 それでも、みのりが帰宅していないかどうか、それを確認せねば。
 誰かに訊こうと思ったが、みのりの隣の席の古庄は、謝恩会に行ってしまったのだろうか、やはりいなかった。


 遼太郎は辺りを見回し、1年部の学年主任を捕まえた。…しかし、


「仲松さん?え?いない?さあ、帰っちゃいないと思うんだけどねぇ~。」


と、はっきりしない応答が返ってくる。
 思わず遼太郎は、その頼りなさに歯ぎしりした。すると、1年3組担任の野上が振り向いたので、遼太郎と目が合った。


「仲松先生なら、さっき掲示物の責任者の先生から、校舎内の掲示物の回収を頼まれてたから、それに行ってるんじゃないか?」


 それを聞いた遼太郎の顔が、パアッと明るくなる。遼太郎は野上の元に歩み寄り、


「ありがとうございます!」


と、深々と頭を下げると駆け出した。

 走りながら、校内を案内していた掲示物を頭の中で検索する。それを辿っていけば、きっと出会えるはずだと思った。




「……ハクシュンっ……」


 掲示物の回収を頼まれたみのりは、寒々しい校舎の中を身を縮めて歩いていた。
 あまりの寒さに、思わずくしゃみが衝いて出る。


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