ナンパ男との恋~最終章~

2人の晴れ舞台

さて・・・、問題の
春樹と、広樹はというと・・・・



「今日、本当に
てるちゃんと来るわけ?」


不満そうな表情を浮かべている広樹に


「春ちゃんと輝ちゃんが
2人で来るの初めてだね」


うれしそうな春樹。



「お前ら、いつの間に
んな金髪にしやがったんだよ?
くっだらねぇ事しやがって」


起きた早々
目の前にいた広樹の頭を
ぐしゃぐしゃにする輝樹の姿。



「輝ちゃんに言われたくないってば。」


ぐしゃぐしゃにされた髪を整えるように
少し大人びた表情で
睨みつけている。



たしかに・・・・

輝樹の場合
髪色が、赤だの淡い紫だのオレンジだの
派手だし・・・



「あぁ?何だ?
俺に楯突くようになったのか?」


そんな広樹に近寄り
目の前で睨みをきかせている輝樹は
若干大人げないような・・・・


「そ、そういうんじゃないっス・・」


まぁ・・・

父親の威厳というものは
健在なわけで、それだけは安心だけど・・・


そんな親子を眺めているわけにもいかず



「ほらほら、広樹も春樹も
最後の卒業式くらい
まともな時間に登校してよ?」


ため息混じりに
2人を見ると


「あーはいはい。
分かってますよーだ。
行くぞ、春樹」


「うん、じゃあ・・・・
いってきます」


「いってらっしゃい」


そう、この2人も、ようやく
中学を卒業する日がきた。


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