ナンパ男との恋~最終章~
その結果・・・・


「何だ、お前?
俺にケンカ売ってんの?」


輝樹が車から降り

私の横に並んでいた男性を

睨みつけるように見下ろしている。


「いえ・・・すいません」


慌てて引き返す男性を見ながら



「お前、何してんの?」

案の定・・
不機嫌な声で
私を見下ろしているわけで・・・



「何も・・・・・」


そう答える私に


「さっさと、車乗れ」


この雰囲気は完全にヤバイような気がする。


車に乗ると、予想通り



「くだらねぇ男に愛想ふりまいて
バカじゃね?」


輝樹が完全に不機嫌になってしまっている。


「愛想なんて・・・」


「へぇ?じゃあ
何でナンパされてるわけ?」


輝樹の言葉に返す言葉がなく
黙り込む私を助けるかのように


「輝ちゃん、春ちゃんが悪いわけじゃないじゃん」


「そうだよ、春さんは無視してたじゃん」


広樹と春樹がフォローの言葉をかけてくれている。


「隙があっから
男が寄ってくんだろうが」


「それは・・・そうかもしれないけど・・」


広樹・・・輝樹の言葉に同感してしまったのか・・・


「春ちゃんにとっては、これが普通だから仕方ないじゃん」


春樹がすかさず輝樹に言うけれど
「これが普通」の意味が分からないのは私だけだろうか。


「まぁ、昔からポヤポヤしてっからな・・」


春樹の微妙なフォローで

輝樹の怒りは収まりつつあるけれど・・・


何だか・・・腑に落ちない私でもあった。







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