ナンパ男との恋~最終章~
「春さん!?輝ちゃんいた!?」


家に入ると
広樹がそう言いながら
歩み寄ってくるけれど


「いた。大丈夫。」


そう一言言うのが精一杯だった。


そのまま寝室に閉じこもるように入ると

布団に潜り込んだ。




若くて綺麗な子だった。


あんなに綺麗な子なら

輝樹がフラフラしてしまったのも分かる。


分かるからこそ、許せない。


分かるからこそ、不安で

もう・・・すべてが終わった気にすらなってしまっている。


そうだ・・・

もうすぐ春樹が輝樹を連れて帰ってくるだろう。

今は・・・・会いたくない。


あんな・・・事を聞いたら

もう・・・



「春さん?」


「ごめん、ちょっと出てくるね」


「え!?春さん!?どこに・・・」


広樹の言葉すら途中で

そのまま私はマンションを飛び出すように出た。

行く宛なんてない。

両親も県外だし、友達なんて

全然連絡とってないし・・・


そう考えると、ますます孤独を感じて

自分がどうしたいのかすら

考えられなくなってしまっている。





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