地上182センチメートルを、キミと。








------------------泣き倒した繭が、落ち着きを取り戻すのを待って、2人で資料室を出た。






カバンを取りに教室に戻る。






教室は1コ下の階。






オレの少し後ろから、繭が続いて階段を下りる。









「……………………比呂、最後にキスがしたい」






振り向くと、目を真っ赤にさせた繭が立ち止まってオレを見ていた。







「……………………うん」







静かに繭の唇にキスを落とす。









目を開けると








「………………………あ」







繭の後ろから、小春と大志が階段を降りてきた。








「………………………邪魔してゴメン」







気まずそうに、何故か慌てた小春が大志の手首を掴んで、足早にオレらの横を通り過ぎた。







大志がオレを横切ろうとした時『おや、まぁ』とふざけながら呆れた様に笑った。









……………………可愛い可愛い繭を振ったんだ。 バチくらい当たって当然だ。
< 102 / 137 >

この作品をシェア

pagetop