地上182センチメートルを、キミと。
------------------泣き倒した繭が、落ち着きを取り戻すのを待って、2人で資料室を出た。
カバンを取りに教室に戻る。
教室は1コ下の階。
オレの少し後ろから、繭が続いて階段を下りる。
「……………………比呂、最後にキスがしたい」
振り向くと、目を真っ赤にさせた繭が立ち止まってオレを見ていた。
「……………………うん」
静かに繭の唇にキスを落とす。
目を開けると
「………………………あ」
繭の後ろから、小春と大志が階段を降りてきた。
「………………………邪魔してゴメン」
気まずそうに、何故か慌てた小春が大志の手首を掴んで、足早にオレらの横を通り過ぎた。
大志がオレを横切ろうとした時『おや、まぁ』とふざけながら呆れた様に笑った。
……………………可愛い可愛い繭を振ったんだ。 バチくらい当たって当然だ。