地上182センチメートルを、キミと。
「大志くんっていう、1年のコ。 お昼休みとか放課後に勉強教えてるんだ」
小春は嫌な顔1つせず、繭の質問に答える。
多分、繭に悪気がないのが分かっているから。
オレ、神経質になりすぎかな。
ちょっと引っかかるけど、コレが繭の素なのだろう。
・・・・・・・・コレが繭の素。
「・・・・・・・・今日も、勉強教えるの??」
「おはよう、香川くん。 ・・・・・・大志くんに迷惑かかるの嫌だから、もうやめようかなって思ったんだけど『明日も今まで通りちゃんと勉強教えてね』って大志くんがLINEメッセージくれてさ。・・・・・・嬉しかった」
挨拶もなしに投げかけたオレの質問にも、律儀に答える小春。
小春と大志の間には、思いやりがある。
やっぱり繭にはそれが足りない。
・・・・・・・・オレは、繭のドコを好きになったのだろう。
・・・・・・・・顔??
それだけじゃないはハズ。
だって、告白が成功した時、飛び上がって喜んだし。
じゃあ、ドコ??
最近、繭への気持ちが冷めてきていると感じるのは
繭との付き合いに慣れてきて、盛り上がってた気持ちが冷静になったという事なのだろうか。