同居相手は黒猫くん






――「毎度ありー!」




公園の横にぽつんと佇むたい焼き屋さん。

安くて美味しいと、この近所では有名なのだ。


そこで私達はホカホカと温かいたい焼きを2つ購入する。




「はい」




紙袋から1つたい焼きを取り出して、刹に渡した。


刹はそれを受け取るや否や、嬉しそうにたい焼きを頭からかぶりつく。





「刹は頭から食べるんだね」


「?」


「私尻尾から食べるの」





軽く笑ってみせると、なぜか刹はじっと私を見つめ返してきた。


……ん?





「何?」


「別にー」





そしてまたもぐもぐとたい焼きを頬張る刹。

変なの。




……まあなんだかんだあったけど。


刹とこうして仲良く(?)なれてよかった。







「……む?」




と、

不意に私の携帯に通知がきた。


私はポケットから携帯を取り出す。



……あ、室谷先輩だ。






「何」


「いや、先輩からメッセージきてて…」





そう笑って言うと、刹は珍しくギョッと目を見開いた。





「……もしかしてあの時…?」





呟くように言った刹は、ずいっと私の携帯を覗き込んでくる。


あ、こら勝手に!






「〈また会ったら声掛けるね〉……?」




刹は眉間にしわを寄せながら先輩からのメッセージを読み上げる。







「比乃、無視しろよ」


「え、無理だよ!先輩だし……」


「あんなたらしに関わってると絶対痛い目見るから」





刹はなんでそんなに先輩のことたらしって決めつけてるのよ!




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