同居相手は黒猫くん
それから先生が来て、文化祭実行委員の会議が始まった。
先生が文化祭の流れや実行委員の役割などを説明している間、刹は全く聞く様子を見せずずっと私の方に顔を向けていて。
「もうあのたらしに返信しなくていいっつのー」
唇を少し尖らせながらそんなことを言ってくる。
「そんなわけにはいかないもん。ほら、先生の話聞かなくちゃ」
しかし刹は一向に私から顔をそらさない。
「…何。もしかして比乃、ほんとにあのたらしが好きなわけ?」
そう言った刹の方に顔を向けると、彼は無表情でじっと私を見つめていた。
……それは違う。
「…そんなわけないよ」
「あれ、なんでそんな元気ないの?」
なんか、よく分からなくなった。
刹の考えてること。
室谷先輩の考えてること。
私自身の考えてること。
でも、それを知らないのが私だけな気がして。
「辛い…」
「は?」
自分がひどく惨めに感じる。