同居相手は黒猫くん
————————————
——————……
「みっちゃん面白かった!」
「うん。で、刹くんの気持ち分かった?」
みっちゃんは漫画を受け取りながら、冷静に聞いてくる。
…まあ、それが…。
「…よく分かりませんでした」
刹は借りたどの漫画にも当てはまるような男の子じゃなくて。
そして刹がしたようなことは、やっぱり付き合ってるカップルがしてたようなことで…。
でも、刹はなんかそれとは違うような気がしたんだ。
「…まあ、比乃は馬鹿だからねー」
「みっちゃんまでそう言う!」
私は一体どこまで馬鹿なんだろう。
「あ、柴咲ー」
と、
不意にクラスの男子に名前を呼ばれた。
「へ?」
「あのさ、今日……昼休みに屋上来てくんない?」
その男子は、顔を指で掻きながら話す。