同居相手は黒猫くん





————————————
——————……





「みっちゃん面白かった!」


「うん。で、刹くんの気持ち分かった?」




みっちゃんは漫画を受け取りながら、冷静に聞いてくる。



…まあ、それが…。




「…よく分かりませんでした」





刹は借りたどの漫画にも当てはまるような男の子じゃなくて。


そして刹がしたようなことは、やっぱり付き合ってるカップルがしてたようなことで…。



でも、刹はなんかそれとは違うような気がしたんだ。




「…まあ、比乃は馬鹿だからねー」


「みっちゃんまでそう言う!」




私は一体どこまで馬鹿なんだろう。





「あ、柴咲ー」




と、

不意にクラスの男子に名前を呼ばれた。





「へ?」


「あのさ、今日……昼休みに屋上来てくんない?」





その男子は、顔を指で掻きながら話す。




< 77 / 283 >

この作品をシェア

pagetop