同居相手は黒猫くん




「お前そんなの読むの?」


「う、うるさいなー!みっちゃんに借りたのっ」





私はプイと刹から顔を逸らして、また漫画に視線を戻す。





「なんでまた急に」


「せ、刹の気持ちとか知るためだよっ。私はどうせ馬鹿だから、こういうので勉強しなきゃなの!」





言いながら少し恥ずかしくなった。



……しかし、刹の返事には間があった。





「…………比乃さ」


「?」



「俺の気持ち知るために少女漫画読んでんの…?」



「…?そうだって言ったじゃん」


「それ恋愛モノだよな?」


「うんっ。刹も読みたいの?」





刹は盛大な溜息をついて、それからプッと吹き出した。





「せいぜい頑張れ(笑)」





そう半笑いで言った刹は、2階へと挙がってしまった。



……い、言われなくても頑張りますよーだ!






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