シェリー ~イケない恋だと、わかっていても~
結婚記念日だって、忘れてるんだよ?もう、わたしに興味がないんだよ?


今日わたしを抱いたのだって、浮気がバレないようにするため。


〝好き〟だの〝愛してる〟だの、言ったのだって仕方なくなんだと思う。


「緒方さん、そんなことカンタンには無理だよ」


わたしが何も言えずにいると、梨江子がともさんを真っ直ぐ見つめ言った。


「浮気は、しちゃいけないよ……。その人を裏切る行為なんだよ?好きだからって、許せることと許せないことがあるでしょ?」
「うん。でもさ、」
「じゃぁ、また裏切られたらどうするの?彩月が啓太さんのこと信じて、また裏切られたら、どうするの!?」


梨江子がこう言うには、ちゃんと理由があるんだ。


「緒方さんには言ってなかったけど。わたし、たくとは再婚で。元旦那には、2回裏切られてるの」
「え?」


ともさんは一度目を大きくさせると、梨江子を見つめた。そして匠哉さんに顔を向けると、匠哉さんは黙って頷いた。


「浮気してた……。だから彩月の気持ちがイタイほど、分かるの……」


そう、梨江子は匠哉さんとは再婚で。


2回元旦那さんに裏切られてるから、匠哉さんを信じるのに、すごく時間かかってたっけ……。


それでも匠哉さんは、諦めずに梨江子を口説きまくってたんだ。


何度振られても、梨江子が好きだと言い続けた。


そんな匠哉さんの気持ちに、梨江子は動かされたんだ。


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