シェリー ~イケない恋だと、わかっていても~
4人の空気が晴れることなく、未だドンヨリした部屋。


「梨江子、ごめんね……。イヤなこと思い出させちゃったよね……」
「なに言ってるの。大切な親友なのよ、彩月は。こんなの、どうってことないわ」


そう言う梨江子は、とても苦しそうだ。


「ごめん……。梨江子、ごめんねっ……」


思い出させたかったわけじゃない。でもわたしには、梨江子しか頼れる人がいなくて……。


「もうっ!何度も言わせないで。わたしは彩月の親友だよ?わたしが苦しい時、彩月はずっと一緒にいてくれたじゃない!今度は、わたしが傍にいるからね?」
「梨江子ぉ……」


勢いよくガバッと抱き付けば、そのまま梨江子を押し倒してしまった。


「やぁん、彩月ってば大胆!」
「ご、ごめん。梨江子……」


慌てて離れようとすると、ギュッと梨江子がわたしを抱きしめた。


「彩月……。ほんとに無理だけはしないで?わたしも、たくも緒方さんもいるから」
「うん、ありがとう……」


わたしたちが、しんみり友情の確認?をしていると、〝ゴホン〟と咳払いひとつが聞こえた。


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