シェリー ~イケない恋だと、わかっていても~
「できたぁ!」


料理はそんなに得意なほうじゃないため、同時進行ができないわたし。


だから一品ずつ作らなきゃ、絶対失敗してしまう。


唐揚げに小エビのサラダ、シーフードグラタンに稲荷寿司。


全部、けいちゃんの大好物。わたしも好きなんだけどっ。


あんなに早くから作り始めたのに、もう時間は夜の7時になろうとしてた。


ケーキも出しておいて、ローソクも3本立てた。3年だから、そんな単純な考え。


「ふふん」


けいちゃんに、笑われちゃうかな?1人なのに、思わず笑ってしまった。


時計の針は7時を超え、7時15分になろうとしていた。


「おかしいなぁ、いつもは7時過ぎても5分過ぎには帰ってきてたのになぁ……」


ルンルンで待ってたこの思いは、いつしか不安になっていく。


「まさか、事故……!?」


すぐさま携帯を取り、電話をかけようとした時メールが届いた。


「あ、けいちゃんからだ!!」


すぐさま、内容を確認すれば。


【今日仕事で遅くなるから、先寝てて】


短い、要件だけのメールだった。
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