Polaris
「なんなんだ、この店は!!」


さっきまで、上機嫌だった中島さんはご立腹。


「な、中島さん」


中島さんと一緒に来店した、浜崎さんが彼のことを宥める。


溝口店長がこっちに来ようとしてるのを、あたしは止めた。


ここはハナちゃんとあたしの席。


自分たちの席のことなんだから、自分たちで解決する。



「中島さん」


あたしは中島さんにわざと密着した。


「ハナちゃんはヤキモチ妬いちゃったんですよ。中島さんがあたしに優しくするから」


そう、耳元で中島さんにだけ聞こえるように言う。


「そうなのか?」


ハナちゃんとあたしの顔を交互に見る。


ハナちゃんは何のことがサッパリわかっていないようだ。


「も~う、中島さんったら。あんまり、苛めないで下さい」


「あぁ、気をつけるよ」


中島さんの機嫌はどうやら戻ったようだ。

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