Polaris
お店に戻るなり、次の席へと回された。


そしてラスト間際に、花田さんの席に戻される。


「お待たせしちゃって」

「大変だったようだな」


花田さんも、さっきのことを気にしているのだろう。


「ビックリしちゃいました」

「あの子、新人じゃないだろう」


あの子とは、ハナちゃんのことだろう。


「そうなんですけど、あたし指導係頼まれちゃって」

「ミライだって自分の客で精一杯だろう」

「そうなんですけど、最近売上が下がっちゃって」


別に指導係を頼まれてるわけでも、売上が下がっているわけでもない。


でも、花田さんの様な人にはこれが一番利く。


「ミライは人が良すぎるんだから」


そう言い、頭を撫でた。





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