ウソつきより愛をこめて
「…あー…まあ、そうだねー…」
「驚いたよ!五年ぶりの再会だと思ったら、子供連れてるんだもん」
由子の話に私はひたすら苦笑いを浮かべる。
実は私の子じゃないって言ったら驚くよね…。
でも今更言いにくいし、こうなった経緯を説明するのは、なんだか気が引けてくる。
寧々は嬉しそうにそばに擦り寄って来て、小さな手で私の手をしっかりと握りしめてきた。
私と寧々の血は一応繋がってるから、他人ではない。
そして寧々は、ここにいる私を自分のママだと思いこんでる。
だって…まだたったの二歳。
顔が全く同じなら、ママと私の判別なんて出来るはずがない。
本当の母親は、私の双子の妹であるマリカだ。
寧々と私の本当の関係は姪と叔母になる。
真っ白で陶器みたいな肌に栗色の長くて艶やかな髪。
つぶらで大きい茶色の瞳にぷっくりと潤んだ赤い唇。
こんなにもマリカにそっくりなんだから、寧々は当然のことながら私にも似ている。