アヤカシたちのお妃候補は人間の女の子でした
人間界には私より綺麗な人、いっぱいいると思うんだけど。
というか私なんか、目が細いし、唇が厚いし、なにより一番の欠点は太ってる事。
私は70キロあるからね、すごく重いからね。
とんでもないデブなんですけど。なのになんで私なんかをお妃候補なんかにしたんだろう。
不思議だ……、不思議でならない……。
「あの……ずっとききたかったんですけど、なんで私がお妃候補なんですか」
友也は、彰さんと晴彰さんの方を見た。
少し俯いたあと、私の頭をくしゃっと撫でた。
「そのうちわかるよ。嫌でも……な」
私はきいてはいけないことをきいたのだろうか。
そのうちわかるならいいや。
いきなり、彰さんが私の腕を掴んできた。
驚いて彰さんの顔を見ると、妖艶な笑みを浮かべている。
「ちょ、なにするんですか」
「見てわからぬか我が妻よ。今からそなたをアヤカシの世界に連れて行くのだ」
断固反対なんですけれども。
絶対に嫌ですよ、私は。
しかしそんな私の願いもむなしく、彼に抱きかかえられてしまった。