偽りの愛は深緑に染まる

 怖かった。こんな鋭い目をした彼を、梨沙は見たことがない。

 答えられなかった。

 この質問の意味は……。

「どっち?」

「えっと、あの……」

 まともに目が合わせられず、梨沙は下を向いてしまった。

 結局、答えられなかった。まもなく料理が運ばれてきて、梨沙は助かったと思った。

 その後はぎこちない会話しかできなかった。

 まずい。これは相当、まずい。光流さんって、嫉妬深かったのか。いや、でも愛人にこんなに執着するものだろうか?

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