偽りの愛は深緑に染まる
「社長。報告申し上げます」

梨沙が鼻歌を歌いながら風呂に入っているころ。

「佐渡山崇について調べました。こちらの書類をご覧ください。また本日彼を尾行し、獲得した成果について、口頭で申し訳ございませんが、ご報告致します」

このようなことが行われているなど、梨沙も佐渡山も、知る由もなく。

光流は長い指で書類をめくり、ざっと目を通す。期待通り、滝口は1日でこれだけのものを揃えてくれた。

「ありがとう。流石は君だ、素晴らしい……それで、その成果とやらを聞かせてもらおうか」

「佐渡山ですが、社長と夏目様の関係を知っています」
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