偽りの愛は深緑に染まる

「……どうして俺のこと、分かったんですか」

佐渡山は光流の雰囲気に圧倒されつつも、気になったことを訊かずにはいられない。

「君が先々週から、僕と梨沙を尾け回していたことかい？ 僕は人より感覚が優れているんだよ。身の回りに異変があれば、素早く察知できる。あと、君のことを見つけられたのはまあ、そうだね。調べ方なんていくらでもあるってことだよ」

佐渡山はごくりと唾を飲み込んだ。

こいつは、ヤバい。さっき確かめたばかりだが、本当に夏目はこんな奴の相手を……。

「まあ、何より梨沙が君のことを話してくれたからなんだけどね」

「……は？」