その結婚、取扱い注意!
「そうよね。会えるだけでも喜ばないと」
「そうです。そうです」
「ミミちゃん、ありがとう! 私、美里ママみたいにいつか彼と結婚できるように女を磨くわ!」

右手にこぶしを作るきららさんはいつもの元気さが戻ってきた。

それからきららさんはお客様の元へ行った。

きららさんが彼を愛しているのはわかったけれど、彼はどうなんだろう……。冗談でも平気で誘いをかけてくる男は信用ならない。

もう一度スマホを開いてみる。

「22時かぁ……湊、来られないのかな」

期待しないで待っているからと言ったけれど、本当はものすごく期待している。

「ミミちゃん! 飲んでるぅ~?」

やって来たのは頬を赤くさせた明菜さんだった。両手にビールの入ったグラスを持ってやってきて私に渡す。

「さあさ、飲んじゃってね~ 美里ママが送っていくから飲みつぶれても大丈夫よぉ~」

ビールの入ったグラスを渡すと、ふら~っとした足取りで明菜さんは去っていく。

「はぁ……」

いよいよひとりでいるのが寂しくなってきた私はグラスをテーブルに置いて美里ママを見つける。

< 16 / 155 >

この作品をシェア

pagetop