極上エリートの甘美な溺愛
「ま、あれほどの男前に会える機会なんてめったにないし、契約について行ってラッキーだったな」
千春が思い返すようにそう言ったことからも、篠田のことを話しているに違いない。
『あれほどの男前』なんて形容、篠田にはぴったりの言葉だ。
恋人が目の前にいるにも関わらず、目を細めながらうっとりとした口調でそう呟いている千春もまた、篠田の外見にぐっと気持ちを掴まれたんだろう。
そんな千春の様子を見ながら、慎は気を悪くするでもなく、逆に、そう言っている千春の言葉に同意するように大きく頷いた。
玲華が二人は本当に仲がいい恋人同士なんだな、とぼんやり考えていると、二人の視線はそろって玲華に向けられた。
「篠田さんって、男の俺でも格好いいって思うほどの魅力的な人なんだから、普段一緒に仕事をしている玲華ちゃんなんて篠田さんにときめきっぱなしじゃないの?」
玲華は慎と千春の興奮気味の声と、興味津々な視線に驚きほんの少しあとずさった。
確かに篠田は格好いいとは思うけれど、玲華にとっては単なる尊敬している先輩に過ぎない。
入社して以来一緒に仕事をする機会は確かに多いが、そのせいか篠田と過ごす事に慣れてしまい、逆になんとも思わなくなっている。
仕事に対する姿勢や、知識と実力はもちろん、周囲への気配りや配慮など、尊敬するべき点は多くあるが、だからといって恋愛感情に結びつくわけではない。
社内の女性たちからの人気は高いが、玲華が篠田に対してときめきを覚えたこともない。
「篠田さんのことは格好いいとは思いますけど、一緒にいすぎてときめくこともないです」
あっさりと呟く玲華に、慎と千春は、同時に口を開いた。
「玲華ちゃん、それって贅沢だよ。あんな男前と一緒に仕事できるなんて羨ましすぎる」