極上エリートの甘美な溺愛
ずっと好きだった人。
離れていた間、忘れたと思いこんでいただけで、心の片隅には将平への思いがずっと生きていた。
高校時代とは比べ物にならないほど男らしく、自分にも仕事にも自信を持っている彼の姿は玲華の恋心をさらに強固なものにする。
抱きしめられたこのぬくもりに飛び込んで、将平へ全てを明け渡してしまいたい。
長い時間育ててきた思いを結実させたいと、願ってしまう。
けれど、長い時間将平への思いを封印しながら自分を変えようと努力していた自分があるのも事実だ。
将平を好きだと実感してはいても、高校時代の玲華は、生まれながらの大人しい自分の性格が災いしてその思いを卒業まで伝えることができず、結局はふられて後悔ばかりが残った。
そんな自分の性格を変えたいと努力してきた時間は決して楽な時間ではなかったが、仕事を始めて、言うべきことを言うべき時に素直に口にすることの重みを実感するようになった。
そして、苦労しながらも作り上げた今の自分が、嫌いじゃない。
というよりも、好きになっている。
玲華は、このまま将平の胸に溺れそうになる自分の弱さをどうにか押しやると、そっと両手で将平の胸を押し、顔を上げた。
「本当に、そう思ってるの?私、本当に好きで好きで、気絶しそうなほど緊張して将平に告白したんだからね。私を本当に好きだったら、諦めないで欲しかった。……人に譲るってどういう事よ。おまけに美保の気持ちは受け入れたくせに」
将平とは既にこのことを何度か話してはいるものの、玲華が心の中に抱えている本音を口にすることはできず、責めることもできなかった。
けれど、悩み過ぎて感覚がショートしたのか、あるいは気落ちする将平の様子に勢いづいたのか。
将平に対しての言葉には本音ばかりがつらつらと溢れていた。
そんな玲華に、将平は申し訳なさそうな表情を向けて必死で謝るのだが、焦るばかりでうまく口が回らない。