極上エリートの甘美な溺愛


恋愛を続けていく中での気持ちの移ろいだけに囚われて、自分が本当に欲しいものを手に入れるための努力をしようとしなかった。

欲しいものが愛する人となれば尚更、自分ができうる限りの努力をし、誠意を見せなければならなかったのに。

手放すことで自分の不安を解放し、そして玲華を傷つけた。

傷つけたのは玲華だけではない、自分に好意を向けてくれた女の子たちの気持ちをないがしろにし、傷つけてきた。

自分が恋愛の先にある別れを恐れていたせいで、本気で好きになってくれたはずの女の子たちを簡単に傷つけた。

若かったからだと言っても、それは単なる言い訳に過ぎない。

「あの頃のことは、後悔したとしか言えないし、謝るしかできないけど、もう玲華を手放したくないんだ。どんな方法をつかってでも、狡くても、玲華を俺のものにしたい」

「将平……。えっと、狡いなんてそれは私も一緒なの」

「……そんなことないだろ。俺が弱すぎて玲華を拒否して、おまけに今頃もっと好きになって離さないなんてわがまま言って」

眉を寄せて、心からの後悔の気持ちを見せている将平。

再会してから何度か見せられたその表情だが、ぐっと引き締まった口元と鋭い視線に射られて、玲華はようやく将平の言葉を受け入れられたような気がした。

どれほどの言葉で『後悔している』『好きだ』と教えられても、玲華の中には高校時代に振られた悲しみはどうしても残っていた。

将平の思いを疑うわけではないが、『わるい』という言葉だけで再び拒まれるかもしれない。

まさかそんなこと。

将平の様子を見て冷静に考えれば、臆病になりすぎる自分を笑い飛ばそうとも思えるが。

一度受けた悲しみはやはり心に残っていたようで、玲華の心全てを将平に預けていたわけではなかったと、心がちくりと痛んだ。

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