極上エリートの甘美な溺愛
玲華は小さく首を傾げて呟いた。
「……篠田さんからプロポーズされるなんて、そう思う理由が思い浮かばないんだけど」
「え?……理由?」
玲華の問いに、はっと我に返ったように将平は視線を上げた。
それまで玲華に見せていた不安げな表情はそのままに、瞳を揺らしながら考え込む。
篠田が玲華にプロポーズをすると聞いたのは、……あ、あいつだ。
将平は、「慎、あいつ……」と悔しげに呟くと、ふうっと大きく息を吐き出し、天井を見上げて小さく舌打ちをした。
気付いた。そう、全て慎だ。
「あいつ……」
「あいつ?」
玲華は将平の言葉の意味がわからない。
『慎』が一体どうしたというのだろうか。
「将平?どうしたの?」
探るように自分を見上げる玲華の視線をすっと受け止めた将平は、その瞳が戸惑いで揺れているのに気付き、「いや、なんでもない。ただはめられただけだ」と優しく言いながら、玲華の頭を優しく撫でた。
触れるか触れないかの曖昧な触れ方に、玲華の体はぴくりと震えた。
手を繋ぐよりも抱きしめられるよりも、ずっと熱を感じるのは何故だろう。
将平の手が何度か撫でたあと、その手はすっと玲華の頭を離れ、そのまま肩へと置かれた。