いつか見つけてね。
前にも訪れたことがあるあの場所。

靖枝さんの事がふと脳裏によぎった。


車から出るとここは雪がチラホラと舞っていた。


「ほら、こんな所で立ってたら寒いから行くぞ。」


そう言って光信さんが肩を抱き寄せてくれてホテルのロビーに入っていく。


しかし今回訪れた先は部屋ではなく離れの茶室だった。


大きな庭園が見える渡り廊下を歩いてその場所に足を運ぶと私達が一番乗りだったみたい。


テーブルには食器が並べられていて、光信さんのキッチンで見覚えのあるXX焼のものだった。

妹尾さんは部屋には入らず席を外してる。


長距離運転したから疲れてるかもしれない。


それにしても私もこんなところに足を運んで良かったんだろうか。


場違いなところに連れてこられて光信さんのこと緊張気味に見ると


「どうした?お腹空いたか?



ここの料理は旨いんだ。

もう少し待ってて。」


と言われ


「お仕事の邪魔になりますから私はこの部屋から退室します。」

という。


「ダメ。

一緒にいてくれないと困る。」


そう言って隣に座る光信さんが私の手を握ると茶室の襖が開いて年配の男性とその後ろから女性が入ってきた。


「あっ、」



それは靖枝さんだった。

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