sweet memory ~奏大side~
それからしばらくの間は、奏大の会社関係の挨拶回りを行っていた。
来る人、来る人、皆花菜の事を気にしているようで、何度もチラチラと見られていた。
その度に、奏大は不機嫌な顔をしていた。
「奏くん、そんな顔をしないで」
「花菜…」
「ねっ、私は大丈夫だから。それより私は、奏くんを見ている女の人の視線が気になるんだけど…」
「?」
「気付いてないの?」
「…あぁ…」
「副社長は花菜様以外の女性に対して嫌悪感があるから、視界に入れてないんだと思いますよ」
「そうなんだ…」
創の言葉に驚いた花菜ではあったが、それ以上に嬉しい気持ちが大きかったようで、花菜は笑顔を見せていた。
するとそこへ、奏大の所に2人の人物が近付いてきた。