sweet memory ~奏大side~
「じゃぁ、私は洗濯をしてきます」
「あぁ」
「奏大さんは寝ていてください。後で起こしに来ますから」
「分かった。7時半には起こしてくれ」
「はい」
そういうと花菜は奏大の腕から抜け出した。
花菜が寝室から出ていくまで奏大はじっと見つめていた。
奏大はまだ学生の花菜に負担をかけたくなくて、ハウスキーパーの提案をしたのだった。
しかし、花菜から返ってきた言葉は自分でやりたいとのこと。
まだ距離感のある関係の中で、花菜が初めて自分から伝えた意思を、奏大は尊重してやりたいと考え、了承した。
そして、自分達は対等な立場であるのだから遠慮はいらないと伝えたのだった。
少しずつこのぎこちない関係が、前のようになれば良いと思う奏大なのであった。